著者のコラム一覧
若林秀隆医師

リハ栄養、サルコペニア、摂食嚥下障害を特に専門とする。日本リハビリテーション医学会指導医・専門医。

タンパク質制限を考えながら筋肉量アップ

公開日: 更新日:

 腎臓の機能が低下した慢性腎臓病は「20歳以上の成人の8人に1人いる」ともいわれ、新たな国民病として注目されています。高齢者に慢性腎臓病の方は少なくなく、現在の慢性腎臓病の患者の多さを考えると、今後ますます増えるだろうと考えられます。

 慢性腎臓病では、タンパク質制限、塩分制限、カリウム制限などの食事療法を行います。低栄養やサルコペニアで慢性腎臓病がある人の場合、取り扱いが非常に難しいのが「タンパク質制限」という点です。

 低栄養の3つの分類のうち、食事ができていないことが問題の「社会生活環境に関連した低栄養」は、タンパク質を中心に高エネルギーの食事を取り、筋肉量を増やすリハを行います。ところが、慢性腎臓病でタンパク質制限があるとなると、どうやってタンパク質を取ってもらうか、どこまで制限するかが、大きな課題になります。

 慢性腎臓病で中等度以上や人工透析の人は、サルコペニアになりやすいのです。慢性腎臓病の程度は、腎臓の働きを示す指標eGFR(推算糸球体濾過量)によってG1~G5の6段階に分かれます(G3はG3aとG3bがあります)。数字が大きい方が腎臓の働きが低下しており、サルコペニアになりやすいのは、G4、G5です。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人原前監督が“愛弟子”阿部監督1年目Vに4日間も「ノーコメント」だった摩訶不思議

  2. 2

    巨人・阿部監督1年目V目前で唇かむ原前監督…自身は事実上クビで「おいしいとこ取り」された憤まん

  3. 3

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  4. 4

    肺がん「ステージ4」歌手・山川豊さんが胸中吐露…「5年歌えれば、いや3年でもいい」

  5. 5

    貧打広島が今オフ異例のFA参戦へ…狙うは地元出身の安打製造機 歴史的失速でチーム内外から「補強して」

  1. 6

    紀子さま誕生日文書ににじむ長女・眞子さんとの距離…コロナ明けでも里帰りせず心配事は山積み

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    メジャー挑戦、残留、国内移籍…広島・森下、大瀬良、九里の去就問題は三者三様

  4. 9

    かつての大谷が思い描いた「投打の理想」 避けられないと悟った「永遠の課題」とは

  5. 10

    大谷が初めて明かしたメジャーへの思い「自分に年俸30億円、総額200億円の価値?ないでしょうね…」