著者のコラム一覧
若林秀隆医師

リハ栄養、サルコペニア、摂食嚥下障害を特に専門とする。日本リハビリテーション医学会指導医・専門医。

認知症で低栄養に 患者が食べられない理由はさまざまある

公開日: 更新日:

 認知症になると、低栄養になりやすくなります。食事の摂取量が減りやすいからです。

 アメリカ栄養士会とアメリカ静脈経腸栄養学会による低栄養の3つの原因分類で見ると、認知症による低栄養の多くは「社会生活環境に関連した低栄養」に該当します。炎症はないが、なんらかの理由で食べられない状態で、患者さんのエネルギー・タンパク質の摂取量を高めることが主な治療になります。

 しかし、認知症で低栄養の方は、対策がなかなか難しいです。

 嚥下(えんげ)機能が低下しているのであれば、喉を鍛えるリハビリが役に立ちます。ところが認知症の患者さんでは、それ以外の理由で食べられないことが多く、鍛えることも難しいです。

 認知症が進行した場合、言語でのコミュニケーションが難しくなります。そのため、本人が何を問題と感じ食べられなくなっているのか、原因を見極めなければなりません。

 ある方は、白い食器に白い食べ物がのっていることで、食べ物を認識できないことが理由でした。またある方は、認知症の症状で「食べ方」を忘れてしまい、食べられずにいました。集中力低下のために、食べ続けられない方もいます。病院で出している食事が口に合わない、あるいは嫌いな食材が多いために、食が進まない方もいます。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    武田鉄矢「水戸黄門」が7年ぶり2時間SPで復活! 一行が目指すは輪島・金沢

  2. 2

    生田絵梨花は中学校まで文京区の公立で学び、東京音大付属に進学 高3で乃木坂46を一時活動休止の背景

  3. 3

    未成年の少女を複数回自宅に呼び出していたSKY-HIの「年内活動辞退」に疑問噴出…「1週間もない」と関係者批判

  4. 4

    2025年ドラマベスト3 「人生の時間」の使い方を問いかけるこの3作

  5. 5

    2025年は邦画の当たり年 主演クラスの俳優が「脇役」に回ることが映画界に活気を与えている

  1. 6

    真木よう子「第2子出産」祝福ムードに水を差す…中島裕翔「熱愛報道」の微妙すぎるタイミング

  2. 7

    M-1新王者「たくろう」がネタにした出身大学が注目度爆上がりのワケ…寛容でユーモラスな学長に著名な卒業生ズラリ

  3. 8

    松任谷由実が矢沢永吉に学んだ“桁違いの金持ち”哲学…「恋人がサンタクロース」発売前年の出来事

  4. 9

    高市政権の積極財政は「無責任な放漫財政」過去最大122兆円予算案も長期金利上昇で国債利払い爆増

  5. 10

    農水省「おこめ券」説明会のトンデモ全容 所管外の問い合わせに官僚疲弊、鈴木農相は逃げの一手