著者のコラム一覧
若林秀隆医師

リハ栄養、サルコペニア、摂食嚥下障害を特に専門とする。日本リハビリテーション医学会指導医・専門医。

痩せ型老人の積極ウオーキングは転倒や骨折リスクが上昇

公開日: 更新日:

 私たちは「肥満は悪」という考えが染みついている。

 実際、肥満は糖尿病、高血圧症、脂質異常症など多くの生活習慣病に関係し、動脈硬化を進行させ、脳卒中心筋梗塞などの心血管疾患のリスクを上げる。だから、脂肪分や糖分が過剰に多い食事は避け、適度な運動を行い、肥満を避ける、または解消する努力をしなければならない。

 しかし、75歳以上の高齢者になると話は別だ。

「BMIが30以上の肥満の人なら肥満解消の努力をしなければなりませんが、それ以下の人は、減量を意識することがかえって『フレイル(体の予備機能が低下して健康障害を起こしやすくなった状態)』を招くことになるかもしれません。そして痩せている人では、“肥満は悪”という考えはきっぱり捨て、それ以上痩せない努力をすべきです」(横浜市立大学付属市民総合医療センターリハビリテーション科・若林秀隆講師)

 70歳のAさんはもともと痩せ形だが、「健康維持のためにウオーキングを」というテレビでの健康特集を見て、1日1万歩を目標にした。生真面目な性格なので、多少の雨でも休まず1日1万歩を目指してウオーキングをしていたら、1カ月で3キロ体重が落ちた。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…