老親・家族 在宅での看取り方
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患者や家族はどういったことを希望されているか、何に不安を感じているか
在宅医療について、どのようなサービスを受けられるのかを知り尽くしている方は非常にまれ。希望して始められた方でもそうなのですから、なんとなく流れで在宅医療に……という方ではなおさらです。 です…
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余命数週間…ファミレスで餃子を食べてビールを飲んで
患者さんが病院から退院し在宅医療に切り替える前、病院側と私たちとの間で、患者さんの状態や情報を共有するための会議を催します。これを私たちは「カンファレンス」と呼んでいます。 この会議の目的は…
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最期の時を飼い猫と一緒に過ごしたい…だから自宅を選ぶ
在宅医療を選択した患者さんの中には、自宅でペットを飼っている方が結構いらっしゃいます。実際に訪問先でさまざまな可愛いペットに出合うこともあり、動物好きなスタッフなどは訪問先で和まされることもしばしば…
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「死ぬ時は死ぬ時。新たな検査は嫌」患者さんの本心は…
基本的に患者さんの自宅に上がり込み、患者さんとご家族の生活の中に入り込まなければ成り立たない在宅医療は、患者さん側と診療所側の双方が十分に納得しあわなければ成立しません。 ですが患者さんの中…
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在宅医療は「片道16キロ圏内が望ましい」が規定だが例外もある
この冬、「急性骨髄性白血病」を患う70歳の女性が在宅医療を開始されました。息子さんご夫婦と同居。過去に乳がんの切除手術を受けたことがあります。最近、貧血が進行して通院が困難となり、在宅に切り替えたと…
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病気による苦痛を和らげ人生の最期を穏やかに過ごしたい
先日、奥さまと娘さんと3人暮らしの男性(80歳)が、ある大学病院からの紹介で私たちの在宅医療を開始することになりました。患っている病気は、慢性閉塞性肺疾患と肺がん。慢性閉塞性肺疾患は、慢性気管支炎や…
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なるべく楽に最期を迎えられるようお手伝いをしてもらいたい…末期がんの夫と暮らす妻の思い
「透析やめてからが大変になってくるのかなと自分では思うのですが、大丈夫でしょうか」(妻) 「大丈夫だと思います。ご不安なこととかはありますか?」(私) 昨年11月初旬のことです。自宅に伺…
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86歳心房細動の男性「悪化リスクはあってもできる限り家にいたい」
地域包括支援センターの紹介で、先日から私たち診療所が訪問するようになった86歳の男性。奥さまと2人暮らしで、心房細動と非結核性抗酸菌症を患っていました。心房細動は、心房といわれる心臓の上の部屋が小刻…
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3世帯住宅に住む90歳夫婦 夫は要支援、妻は要介護の状態で…
「まだ病院から詳しい情報はもらえてなくて」 私たちが最初にその患者さんのご自宅に伺った時に開口一番そう訴えたのは、患者さんご夫婦の娘さんでした。3世帯住宅にお住まいの共に90歳のご夫婦。要介護…
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90歳の男性患者「旅行にも温泉にも行きたい」自分のしたい楽しいことをしよう
「40歳くらいで糖尿病になって病気生活が始まったんです。次になったのが12年前で、多発性骨髄腫。狭心症、脊柱管狭窄症もあって、腰と心臓も悪いですね。あと3年前に胃から出血して倒れちゃって、輸血しました…
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会話を重ね、時間をかけて、在宅患者や家族の疑問に答えていく
「11月に母がコロナでお世話になったケアマネジャーさんに相談し、定期で訪問診療をお願いしたいと思いまして」 今年に入ってそんなご連絡をいただきました。伺ったのは、娘さんと同居する90歳の女性の…
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長く病院とは無縁だが急に体調を崩し慌てて「在宅」を開始するケースも
自分が病気になった時に在宅医療を実施するとして、そのタイミングはいつがいいのでしょうか? たとえ病気になったとしても、まだそれほど病状も進んでいない、自分の足で辛うじて通院できる場合は、やは…
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時には病院で検査を受けながら、日常は自宅で過ごすケースも
在宅医療を始められる患者さんの中には、一時的に入院するレスパイト入院とは別に、大がかりな検査のための通院も並行して行う方もいらっしゃいます。 その場合でも、もちろん私たちはその患者さんの事情…
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病状が厳しいからこそ、自宅に戻って家族と一緒に過ごしたい
在宅医療では基本的に、年末年始やGWなどの大型連休であっても、日常と変わらず訪問診療を実施しています。 特に当院では医療依存度が高い患者さんが多いため、基本的に休みはありません。とはいえ、薬…
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自宅で過ごす大切な時間を積極的に充実したものにしたい
日常生活を送る上で、必要最低限の行動(食事、排泄、入浴、更衣、移動など)を「ADL(Activities of Daily Living)といいます。これに似た言葉に「IADL」があります。 …
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在宅医療で急に悪くなったらと心配…どこに連絡したらいいのか
在宅医療をめぐる環境も日々変化しています。中でも一番の変化といえば、病院側の在宅医療に対する認識といえるかもしれません。 在宅医療が患者さんにとって、信頼に足りる医療機関なのか? かつては病…
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自力で歩いての通院が「病気に打ち勝つ気概」の確認になっていたが…
先日、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)を患う男性が私たちの在宅医療を始められました。75歳で1人暮らしの方です。 T細胞は、主に免疫機能を担っている血液の白血球の一種。末梢性T細胞リンパ腫と…
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在宅でも「褥瘡」の治療は可能 形成外科的処置で壊死部分をかき出す
これまで通院で治療を受けてきたけど、ある時から自力での通院が難しくなり、自宅での療養に切り替えた、という方はかなりいます。 中には、主治医から入院を勧められた方もいます。それでも、在宅医療を…
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「自宅だから、自由に動ける」 諦めていたことにもチャレンジ
在宅医療を開始することになったきっかけや事情は、みなさんそれぞれ違います。一方で、一様に戸惑われることもあります。そのひとつが、「自分で選択する」ということ。 病院では、いわば病院のルールに…
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がんの末期に生じる痛みは「在宅」でもしっかりコントロールする
入院する病院から自宅へ移られ、在宅医療を開始される患者さんの中には、がんの末期といわれる状態の方も少なからずいます。 このがんの末期について、厚労省は「治癒を目指した治療に反応せず、進行性か…