老親・家族 在宅での看取り方
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骨髄異形成症候群の男性「自分の最期は自分でわかっている。もう輸血はしません」
あけぼの診療所は、都内で(たぶん国内でも)最も在宅で輸血をしている医療機関です。その数は1年あたり1000件近くになり、さらに年々増加しております。 輸血を必要とする患者さんは大きく分けて、…
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患者のわがままに振り回されつつも在宅医療を進めていく
その方は、旅行中に脳卒中を起こし、救急搬送。旅行先の病院で入院し治療を受けていましたが、回復期のリハビリで東京の病院へ転院。その後、自宅へ戻られてきた70代の男性。お一人暮らしです。 「先生た…
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92歳男性患者…誤嚥を繰り返しても肉まんや餃子を口から食べたい
92歳になる男性患者さんは中国残留孤児の方で、都内の団地に中国人の奥さまと2人暮らし。がんを患い、治療は成功したものの、体が衰弱し、徐々にベッドにいる時間が長くなっていました。ご本人と奥さま、そして…
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在宅医療開始初日に…「長いお付き合いになると思っていたところでした」
在宅医療を開始するにあたってご家族が一番に心配されることはなにかといえば、それは最期の看取り。タイミング良く在宅医師はいてくれるのか? 救急車を呼んだ方がいいのか? 死亡診断は? これから起こるであ…
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心不全の80代父親を看る娘「缶ビールやハイボール1缶なら飲んでもいい?」
在宅医療を開始する患者さんの大半は、主にがん患者さんに見られるように、ご家族と相談の上で余命を自宅で過ごそうと決めた方です。 比較的高齢の患者さんでは、これから先、ADL(日常生活動作)が衰…
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不眠で悩む80歳男性「今日も耳鳴りと演歌がずっと聞こえる」
急ぎで在宅医療を開始してもらいたい方がいるんです──。ケアマネジャーさんからそんな連絡をいただいて、訪問するようになったのが、不眠と軽度腎機能低下、そして認知機能の衰えが見られる80歳の男性。弟さん…
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薬でかえってツラくなっていないか? 見直しでQOLが向上する
自分が服用している薬について、いったいどのように症状をコントロールし、どんな副作用があるのか──。患者さん及びご家族がこれらを正しく理解することは、病院での療養か在宅医療かに関係なく、非常に重要だと…
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白血病患者の在宅医療を開始「定期訪問プラス24時間365日、異変があればいつでも連絡を」
「おうちに帰ってきて困っていることはありますか?」(私) 「だるさがあったんですけど食事もお風呂もできているので大丈夫です」(患者) 「痛み止めのお薬(フェントステープ)で眠気はありますか…
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生活にコミットすることでこれまで見えてこなかった問題点が明らかに
在宅医療を開始したことで、これまで見過ごされていた問題が明らかになることがあります。 そのひとつがポリファーマシー問題です。ポリファーマシーとは、多くの薬を飲むことで、薬の相互作用、飲み間違…
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測定不能なほどの高血圧…でも、お金がないから病院にかかれない
「要介護3で、3年間どこにも受診されていないようで、ケアマネさんもついてないんです」 地域包括支援センターから、こんな連絡があったのは、この春のこと。高血圧症と言語障害を患う、内縁の夫と暮らす…
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90歳のがん患者「長生きの家系なので治療しなくてもいいだろうって」
患者さんが自分の病気と向き合うという行為は、当然ながら患者さんにしかできません。健康だった時には想像もしなかったことに遭遇し、混乱したり悲嘆に暮れたりする日もあるでしょう。 またこれまでの人…
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病院では難しかった細かいケアも自宅でなら思うようにできる
「現在入院中ですが、GWまではもたないと病院で言われています」 3月の中旬、ケアマネジャーさんから在宅医療の相談を受けました。 「訪問診療が決まれば退院して自宅に帰れるということで訪問診…
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患者や家族はどういったことを希望されているか、何に不安を感じているか
在宅医療について、どのようなサービスを受けられるのかを知り尽くしている方は非常にまれ。希望して始められた方でもそうなのですから、なんとなく流れで在宅医療に……という方ではなおさらです。 です…
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余命数週間…ファミレスで餃子を食べてビールを飲んで
患者さんが病院から退院し在宅医療に切り替える前、病院側と私たちとの間で、患者さんの状態や情報を共有するための会議を催します。これを私たちは「カンファレンス」と呼んでいます。 この会議の目的は…
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最期の時を飼い猫と一緒に過ごしたい…だから自宅を選ぶ
在宅医療を選択した患者さんの中には、自宅でペットを飼っている方が結構いらっしゃいます。実際に訪問先でさまざまな可愛いペットに出合うこともあり、動物好きなスタッフなどは訪問先で和まされることもしばしば…
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「死ぬ時は死ぬ時。新たな検査は嫌」患者さんの本心は…
基本的に患者さんの自宅に上がり込み、患者さんとご家族の生活の中に入り込まなければ成り立たない在宅医療は、患者さん側と診療所側の双方が十分に納得しあわなければ成立しません。 ですが患者さんの中…
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在宅医療は「片道16キロ圏内が望ましい」が規定だが例外もある
この冬、「急性骨髄性白血病」を患う70歳の女性が在宅医療を開始されました。息子さんご夫婦と同居。過去に乳がんの切除手術を受けたことがあります。最近、貧血が進行して通院が困難となり、在宅に切り替えたと…
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病気による苦痛を和らげ人生の最期を穏やかに過ごしたい
先日、奥さまと娘さんと3人暮らしの男性(80歳)が、ある大学病院からの紹介で私たちの在宅医療を開始することになりました。患っている病気は、慢性閉塞性肺疾患と肺がん。慢性閉塞性肺疾患は、慢性気管支炎や…
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なるべく楽に最期を迎えられるようお手伝いをしてもらいたい…末期がんの夫と暮らす妻の思い
「透析やめてからが大変になってくるのかなと自分では思うのですが、大丈夫でしょうか」(妻) 「大丈夫だと思います。ご不安なこととかはありますか?」(私) 昨年11月初旬のことです。自宅に伺…
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86歳心房細動の男性「悪化リスクはあってもできる限り家にいたい」
地域包括支援センターの紹介で、先日から私たち診療所が訪問するようになった86歳の男性。奥さまと2人暮らしで、心房細動と非結核性抗酸菌症を患っていました。心房細動は、心房といわれる心臓の上の部屋が小刻…