骨髄異形成症候群の男性「自分の最期は自分でわかっている。もう輸血はしません」
あけぼの診療所は、都内で(たぶん国内でも)最も在宅で輸血をしている医療機関です。その数は1年あたり1000件近くになり、さらに年々増加しております。
輸血を必要とする患者さんは大きく分けて、造血機能に問題がある方と、出血で血液が足りなくなった方がいます。こういった患者さんが外来で輸血通院が難しくなった場合、在宅輸血が導入されます。
しかし、輸血には特殊な対応が必要となるため、通常の在宅医療機関では、在宅輸血をしないケースが大半です。在宅輸血をしてくれる医療機関が見つからない患者さんは、外来に通えなくなったことから貧血が進行し、数カ月で旅立たれる──。これが、一部では現在の「普通」になっているのでした。
当院ではそのようなあり方に疑問をもち、「できません」を言わなくて済む医療を目指し実施しております。
そうした当院での在宅輸血を実施される患者さんは、在宅輸血をしてくれる医療機関が見つからない患者さんたちに比べ、非常に長くご自宅での時間を過ごされます。今日はそんな患者さんのお話です。