老親・家族 在宅での看取り方
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40代男性からの電話「コロナ後遺症で倦怠感がひどく病院へ通えません」
「コロナ後遺症外来で、フリーテストステロンが5.8と低くて、男性更年期障害って言われました。今後治療を始める予定ですが、倦怠感がひどくて、後遺症外来に行けるのかわかりません。そちらの在宅医療で、男性更…
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義父の干渉で、義母が検査や治療を積極的に受けたがらない
「頭がすごくぐるぐるしてて、吐きそうで吐けない感じの気持ち悪さがあるんです」 電話の主は70代の女性。旦那さんが指定難病の筋ジストロフィーを患っており、2人暮らしです。症状から念のため精密検査…
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末期がん90代女性「一人娘とは絶縁状態で会うこともできない…」
「私は身寄りがいるようでいない。娘が一人いるんだけどね、疎遠になって会うこともできない」 肺がん末期の90代の独居女性。私たちが自宅に伺った時、開口一番こう言いました。どちらかというと自暴自棄…
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誤嚥のリスクが多少あっても好きなものを食べさせてあげたい
「本日診察しまして、ご本人はおいしくないからとペースト食ではなく、普通の食事がいいと相談を受けました。それがだめなら、せめて主食はお粥がいいとおっしゃっていました。多少リスクはありますが、普通のおかず…
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「元気だから放っておいて!」と主張する91歳女性に提案した案は…
近ごろコロナ禍を境にして社会の仕組みや日本人の意識が少しずつ変化してきていると感じるようになりました。中でもアマゾンやウーバーイーツなど、自宅にいながら衣食住に関するサービスを受けるというライフスタ…
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認知症の母を可能な限り自宅で過ごさせてあげたいと思っていたけれど…
ご主人を在宅で看取った経験がある95歳の女性。認知症を患っており、さらに胃がんの末期。「母は最期まで自宅で過ごすことを希望するだろう」と、息子さん、娘さんが在宅医療を選択されました。 「ご加減…
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進行性大腸がんの50歳男性の「最後の願い」をかなえるために
在宅医療を開始された50歳の男性。進行性大腸がんで、肝臓、リンパ節、骨へ転移。がんの進行が速く、いつなにがあっても不思議ではない状況でした。 最終的に在宅医療を選ばれた理由は、ただただ病院で…
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体調、薬、家庭環境まで…在宅医療の診療所ではさまざまな電話相談に対応
「目を離したすきに、母が自分で痛み止めの麻薬を一気に4つも飲んでしまったみたいなんです。なにか気をつけたほうがいいことはありますか? いま本人は特にいつもと変わりないのですが……」 24時間診…
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夫の最期を共に過ごすために妻は「介護休業」を活用した
その方は前立腺がんを患い、リンパ節や骨転移もされている還暦前の患者さんでした。 すでに終末期と言われていましたが、本人は職場には何も知らせずに普通に仕事をしていたとのこと。ある日、呼吸困難を…
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慢性腎臓病の50歳男性「墓参りで死んだ両親に会ってきた。早くそっちに行きたい」
「ばい菌が入ったら最悪足を切らなきゃいけないって言われたんだよね」 形成外科病院に通院しながら、私たちのところで在宅医療を開始された50歳になる1人暮らしの患者さんがいました。 その方…
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「特別訪問看護指示書」の提出で週4回以上の訪問看護を受けられるようになる
当院で在宅医療を利用する患者さんは「介護保険」か「医療保険」のいずれかを利用されています。 介護保険は、いわゆるヘルパーさんによる排泄の介助や訪問入浴など。医療行為には該当しないが、生活にお…
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大腸がんの60歳男性「1人で家にいて繰り返す吐き気が精神的につらいんだよ!」
60歳で独居の男性が、在宅医療を開始されました。大腸がんで、さらにがんが大腸の外側の腹膜にまで散らばっているステージ4。主治医から今後の見通しを告げられ、「最後は慣れ親しんだ自宅で過ごしたい」と、私…
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多発性骨髄腫の80代男性「打つ手がないなら点滴はやらないで自然でいたい」
その患者さんは、息子さんと2人暮らしの80代男性。2017年に多発性骨髄腫が分かり治療を受けていましたが、打つ手がなくなり、鎮痛剤による疼痛(とうつう)管理だけの対処となっていました。やがて通院も困…
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四肢麻痺の妻の介護で退職した夫 誕生日にはベッドをデコレーションして祝福
40代半ばという年齢で脳出血を起こし、救急搬送された女性の患者さんがいます。脳出血では、脳が腫れて頭蓋圧が高くなり、脳の中にある境界や隙間から脳組織の一部がはみ出す「脳ヘルニア」を起こすことがありま…
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夫を介護する80代女性「病院だと誰も夫に話しかけない…家に帰してあげたい…」
「奥さま、大変じゃないですか?」(私) 「大変ですね」(H子さん) 自宅で夫を看取りたいという切なる思いから、孤軍奮闘している80代の女性、H子さん。 ご主人は脳梗塞の後遺症で右…
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誰かと話がしたくて…在宅医療を始めた75歳女性から涙声で電話がかかってきた
「もしもし……、一人だともう、どうにかなりそうなんです……」 ある日、涙声で当院に電話がかかってきました。 「いかがなさいましたか?」(私) 「誰かとどうしてもお話がしたくて」(患…
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友人と食事したりたばこを吸ったり…これも自宅での在宅医療だからこそ
その男性(57)は統合失調症と歩行困難な腰痛を抱えており、1人暮らし。コロナに感染し入院、退院後から在宅医療を開始されました。私たちが訪問した時は寝たきりで、腰やかかとの床ずれ(褥瘡)がひどい状態。…
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認知症と妄想が加速…薬を飲まずに枕の下に隠してしまう
患者さんが薬を飲んでくれない──。そういったケースは少なくありません。 認知症の患者さんでは、判断機能低下や、病気のことを受け入れられないために服薬を拒否することもしばしば。内服カレンダーを…
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抗がん剤の再開を目指し在宅医療を開始…6日で歩けるように
その患者さんは福岡でお一人住まいをされていた方でした。ご長男が北海道在住で公務員、ご長女は都内にお住まいとのこと。 1年前まで元気だったということですが、昨年の11月あたりから体調が悪化。そ…
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がんの治療はなくなってもその人の人生が終わったわけじゃない
「体調はどうですか?」(私) 「歩くのもやっと。食事も寝たまま食べることが多いです。本人は大丈夫だって言ってるんだけど」(夫) 2020年2月から当院で在宅医療を開始されている95歳の女…