夫を介護する80代女性「病院だと誰も夫に話しかけない…家に帰してあげたい…」
「奥さま、大変じゃないですか?」(私)
「大変ですね」(H子さん)
自宅で夫を看取りたいという切なる思いから、孤軍奮闘している80代の女性、H子さん。
ご主人は脳梗塞の後遺症で右半身に麻痺があり、さらに2020年にはコロナ感染で、誤嚥性肺炎を発症。それ以降も誤嚥性肺炎を繰り返していました。H子さんは痰の吸引やおむつ交換のトレーニングを積極的に受け、在宅医療を開始したのですが、ひとりでの介護は体力的にも精神的にも厳しい。
「痩せました?」(私)
「いやいや、痩せていませんよ(笑)」(H子さん)
「外出してキレイなもの見に行きたいですよね。それも対応できるようにしますので……。たまには息抜きも必要です」(私)
「主人も車椅子には座れるんですね。うちに帰ってきてこういうふうにできていることがうれしいです」(H子さん)
当院の言語聴覚士がご主人の嚥下機能を評価したところ、まずは体力が落ちていることもあり、麻痺する右片のリハビリにしばらくは専念することに。ただ、入院するほどではないにしろ時々誤嚥性肺炎による発熱があるため、そのたびに抗生剤投与となりました。