著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

夫婦ともに認知症で夫に先立たれた妻「パパのところに行けるわ」と眠るように…

公開日: 更新日:

 先週からの続きです。

 ともに認知症ながら、2人暮らしの90代のご夫婦。冬の朝、旦那さんが玄関先で倒れているのが発見されました。

 幸いなことに旦那さんは一命を取り留めましたが、入院中の安静生活で歩行困難に。

 それまでは、足の悪い奥さまを手伝って家事をこなしたり、買い物に付き合ったりしていた旦那さん。退院後はそれらができなくなりました。食も細くなり、ご家族と相談の上、点滴をしながら経過観察に。しかし、梅雨入りした頃に旅立たれていかれました。

 ほとんど話せない状況ながらも、最期のその瞬間まで奥さまのことを気遣っておられました。「パパー、いかないでー。悲しいよう」と奥さまが泣かれていたのが印象的でした。付き添っていた私たちスタッフも思わずもらい泣きをしていたのを覚えております。

 2人は20代の頃、勤め先で知り合い、当時としては珍しい恋愛結婚で結ばれたそうです。この住まいで子育てをし、お子さんが巣立ってからも仲むつまじく過ごされていました。お2人の希望は、思い出が詰まったこの場所で最期の時を迎えたいということ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 2

    阪神・西勇輝いよいよ崖っぷち…ベテランの矜持すら見せられず大炎上に藤川監督は強権発動

  3. 3

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  4. 4

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  5. 5

    阪神・藤川監督が酔っぱらって口を衝いた打倒巨人「怪気炎」→掲載自粛要請で幻に

  1. 6

    巨人・小林誠司に“再婚相手”見つかった? 阿部監督が思い描く「田中将大復活」への青写真

  2. 7

    早実初等部が慶応幼稚舎に太刀打ちできない「伝統」以外の決定的な差

  3. 8

    「夢の超特急」計画の裏で住民困惑…愛知県春日井市で田んぼ・池・井戸が突然枯れた!

  4. 9

    フジテレビを救うのは経歴ピカピカの社外取締役ではなく“営業の猛者”と呼ばれる女性プロパーか?

  5. 10

    阪神からの戦力外通告「全内幕」…四方八方から《辞めた方が身のためや》と現役続行を反対された