著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

がんの治療はなくなってもその人の人生が終わったわけじゃない

公開日: 更新日:

「体調はどうですか?」(私)

「歩くのもやっと。食事も寝たまま食べることが多いです。本人は大丈夫だって言ってるんだけど」(夫)

 2020年2月から当院で在宅医療を開始されている95歳の女性は、骨髄異形成症候群と慢性心不全を患っています。旦那さんと息子さんとの3人暮らしです。 

 現在は輸血をしながら、積極的な治療は行わず症状緩和の治療のみを行う「ベスト・サポーティブ・ケア(BSC)」により自宅で過ごされています。積極的な治療とはいわゆる外科治療や化学療法、さらには免疫療法、放射線治療などを指します。

 BSCは有効的治療法がない場合に、患者さん自らの希望で身体的な苦痛や治療の副作用の軽減と生活の質(QOL)の維持・向上を目指し行われるものです。 

 一見、医療の一方的な撤退宣言のようにも見えますが、そうではありません。症状によっては食事療法や運動療法などのケアも行いながら、あくまでも残された患者さんの生活を最後まで満たされたものにするためのものです。緩和ケアと同じような意味で用いられることもあります。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    西武ならレギュラー?FA権行使の阪神・原口文仁にオリ、楽天、ロッテからも意外な需要

  2. 2

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動

  3. 3

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  4. 4

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏の勝因は「SNS戦略」って本当?TV情報番組では法規制に言及したタレントも

  5. 5

    小泉今日子×小林聡美「団地のふたり」も《もう見ない》…“バディー”ドラマ「喧嘩シーン」への嫌悪感

  1. 6

    国内男子ツアーの惨状招いた「元凶」…虫食い日程、録画放送、低レベルなコース

  2. 7

    ヤンキース、カブス、パドレスが佐々木朗希の「勝気な生意気根性」に付け入る…代理人はド軍との密約否定

  3. 8

    首都圏の「住み続けたい駅」1位、2位の超意外! かつて人気の吉祥寺は46位、代官山は15位

  4. 9

    兵庫県知事選・斎藤元彦氏圧勝のウラ パワハラ疑惑の前職を勝たせた「同情論」と「陰謀論」

  5. 10

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇