「板東英二の生前葬」板東英二氏
「終活」という言葉が盛んに取り沙汰され、人生の終わりをどう迎えるかは誰でも考えること。その場合、死を考え、遺言を残すというのがもっとも一般的で、生前葬は聞き慣れない。バラエティー番組などで活躍する著者が、なぜ生前葬なのか。
「最初は遺言のようなイメージで漠然と考えていました。そんな時に、かつて水の江滝子さんが盛大な生前葬をやって話題になったと教えてくれる人がいて。それがヒントになりました。ただ、実際にやるということではなく、僕らしいやり方はないかなと。高校野球、プロ野球で選手をやり、タレントもやって交際範囲が思いもよらないほど広がった。そういう方々との楽しかった思い出を書くことで、実際の生前葬の代わりにできるんじゃないかと思いました」
第1章は「健さんとロレックス」。高倉健と初共演の映画「あ・うん」でのことなどが描かれている。
「本を書こうとしたきっかけのひとつが、昨年11月に健さんが亡くなったことでした。健さんへのご報告があって事務所のスタッフの方に、手紙を届けて5日後です。あの時は本当にビックリした。僕からしたら、こんなことがあるんだと信じられない思いでした。健さんとは3作でご一緒して、僕のような役者でもない人間に本当に気を使ってくださった。どういう方なのか、