東日本大震災の被災者15人の今を取材したドキュメント集。
福島県富岡町で両親と妻、3人の子どもと暮らしていた伏見さん(33歳)は、原発の爆発に伴い、各地を転々と避難。両親と別れ、妻の実家がある岡山にたどり着いたが、会社が操業を再開したため、単身でいわき市へ戻る。今も家族がそろうのは、年に5回ほどだという。その他、児童教職員84人が津波の犠牲になった石巻市立大川小学校で一人息子を失い、責任の所在をはっきりさせるために県と市を相手に訴訟を起こした佐藤さん(53歳)など。あの日から時が止まったままの被災者のリアルな現実を伝える。(第三書館 926円+税)