「『消せるボールペン』30年の開発物語」滝田誠一郎著
2006年にフランスで先行発売されて以来、世界中で10億本以上も売れ続けているパイロットの消せるボールペン「フリクションボール」をはじめとするフリクションシリーズの開発物語。
ボールペンなのに書いた字が消えるのは、専用ラバーでこすった摩擦熱でインクが透明化するから。シリーズに使われているこの「フリクションインキ」のルーツである温度変化によって色が変わる「メタモカラー」の基本原理は、1971年に発見され、4年後に特許を取得した。紅葉に着想して、色が変わるインクの開発に成功してから、筆記具として商品化するまで、30年以上に及ぶイノベーションの軌跡を、関係者らの取材から描く。(小学館 720円+税)