「童謡はどこへ消えた」服部公一氏

公開日: 更新日:

「一昔前は、『夕焼け小焼け』や『シャボン玉』『めだかの学校』などの童謡をテレビや街中でよく耳にしたものですが、最近ではほとんど聞かれなくなってしまいました。幼稚園でも、あまり童謡が教えられなくなりました。幼稚園には教科書がないので先生が選んだ歌を園児に教えるのですが、若い先生たち自身が童謡を知らないものだから、結果的に子供たちはテレビアニメの主題歌やCMソングなどはやりの歌ばかり歌っています」

 そもそも、日本ではどのようにして童謡が誕生したのか。

「明治維新以来、日本は西洋化を目指してきました。子供に手っ取り早く西洋の文化に馴染ませる手段として西欧から賛美歌やドイツなどの古い童謡を輸入し、子供が歌いやすく馴染みやすいよう、それに日本独自の歌詞をつけて、小学唱歌にしたんです。たとえば『ちょうちょう』などがそれですね。そして、大正7年に童謡童話雑誌『赤い鳥』が創刊されて、日本に初めて『童謡』という言葉が誕生しました」

「シャボン玉」などの歌が生まれ、童謡は子供たちに浸透した。しかし、第2次世界大戦が始まると、戦意高揚歌ばかりが歌われて童謡は影を潜めてしまう。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…