「複数の愛を生きる」深海菊絵氏

公開日: 更新日:

「ポリアモリーとは、最もシンプルに言えば、『複数のパートナーと誠実に愛の関係を築くスタイル』です。ただし定義は人それぞれ。『合意の上で複数の人と性愛関係を築く』という人や、『結婚制度にとらわれず自分が愛する人の人数を決める』という人もいます」

 日本でいうところの浮気・不倫・二股とは、根本的に違うという。

「恋人や伴侶に嘘をついたり、隠すのはポリアモリーではありません。自分の交際状況をオープンにし、合意の上で築く人間関係です。『2人の彼女を誠実に愛しているが、その状況を彼女たちに伝えていない』男性がいたら、それはポリアモリーではなく『彼なりに誠実な二股』です」

 単純な浮気や不倫とは、姿勢も覚悟も違うわけだ。

「自分にも相手にも嘘をつかない生き方なんです。他者を受け入れる・自分を変える柔軟性が必要だと思います。その場限りのセックスを求めるスワッピングもポリアモリーとは別物。誰でもよいわけではなく、愛する人としか性的関係を持ちたくないという人が多いのです」

 アメリカではポリアモリストは2009年の段階で約50万人いると予測されており、今も拡大中だという。著者は単身渡米し、30人以上のポリアモリストを調査。そこから見えてきたのは、意外にも「真面目さ」だった。

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…