「読んだら忘れない読書術」樺沢紫苑氏
ある本を読んで「面白かった」という印象は持っても、どんな言葉が心に残り、どのあたりが役に立ったかと聞かれると、明確には答えられない人が多い。おそらく何時間もかけて読んだであろう本の内容を“何となく”でしか覚えていないとは、これほどもったいないことはない。
「覚えていないということは知識として定着していないということであり、簡単に言ってしまえばその読書は何の役にも立っていないことになります。このような読書をしていては、年間100冊読んだとしても自己成長にはつながりません」
本書では、“読んだつもり”で終わらせない、忘れないための読書術を伝授している。
大切なのは、内容の“アウトプット”を行うことだ。さまざまな脳科学研究を集約すると、最初のインプットから7~10日以内に3~4回アウトプットすることで、情報が脳に定着するそうだ。
「読書はただ文字を追って読むのではなく、読みながらメモを取ったり、本にマーカーでラインを引いてしまうことです。さらに、本の内容を家族や友人に話すこと。相手が読みたくなるぐらい説明ができることが理想です。そして、本の感想や心に残った名言などを、SNSやブログに書くことです。これらのアウトプットを行えば、本の内容を記憶する効率が格段に上がります」