「わんぱく天国」佐藤さとる著 村上勉絵
昭和十×年、地区でただ一人、少年団に所属する小学3年のカオルは、団の帰り道、6年生の明に待ち伏せされる。警戒するカオルに、明は少年団で習う手旗信号やロープのつなぎ方などを教えて欲しいという。隣地区のガキ大将の明は、独自に少年団を結成して、子分たちにそれを教えるらしい。応じたカオルだが、次第に仲間たちと応援団遊びで盛り上がる明たちがうらやましくなってくる。だが、明たちの仲間には入れてもらえない。そんな中、カオルは明の少年団遊びを知った隣家の一郎から呼び出される。一郎は、明たちが計画している山での斥候遊びに乱入して、彼らをかく乱しようとカオルを誘う。
戦前の少年たちの日常を描いた自伝的作品。(講談社 630円+税)