「波羅蜜」藤沢周著

公開日: 更新日:

 葬儀ディレクターの倉木に、ある日、商事会社に勤務する梅谷と名乗る男が接触してきた。梅谷は、倉木に「私の葬式をあげて欲しい」という。梅谷は、倉木が担当の病院から遺体を回してもらうため、看護師の杏子に金を渡し、セックスの相手も務めていることを知っていた。

 男の真意が分からないまま、後日、名刺の番号に電話をかけると、梅谷という男は3カ月前に死んだと教えられる。再び現れた男を問い詰めると、別の人物の名刺を次々と出してくる。梅谷を含め、一流企業に勤める彼らは、いずれも自死したという。自殺をゲームとして楽しむ集まりがあることをにおわせる男は、倉木に自殺ビジネスを持ち掛けてくる。

 生と死のはざまにある「闇」を描く長編小説。(光文社 880円+税)



最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    巨人が戦々恐々…有能スコアラーがひっそり中日に移籍していた!頭脳&膨大なデータが丸ごと流出

  2. 2

    【箱根駅伝】なぜ青学大は連覇を果たし、本命の国学院は負けたのか…水面下で起きていた大誤算

  3. 3

    フジテレビの内部告発者? Xに突如現れ姿を消した「バットマンビギンズ」の生々しい投稿の中身

  4. 4

    フジテレビで常態化していた女子アナ“上納”接待…プロデューサーによるホステス扱いは日常茶飯事

  5. 5

    中居正広はテレビ界でも浮いていた?「松本人志×霜月るな」のような“応援団”不在の深刻度

  1. 6

    中居正広「女性トラブル」フジは編成幹部の“上納”即否定の初動ミス…新告発、株主激怒の絶体絶命

  2. 7

    佐々木朗希にメジャーを確約しない最終候補3球団の「魂胆」…フルに起用する必要はどこにもない

  3. 8

    キムタクと9年近く交際も破局…通称“かおりん”を直撃すると

  4. 9

    フジテレビ「社内特別調査チーム」設置を緊急会見で説明か…“座長”は港社長という衝撃情報も

  5. 10

    中居正広「女性トラブル」に爆笑問題・太田光が“火に油”…フジは幹部のアテンド否定も被害女性は怒り心頭