「居酒屋チェーン戦国史」中村芳平著
盛衰が激しい居酒屋チェーンの歴史をひもとき、一代で数百、数千店舗の巨大チェーンを築き上げた異端の創業者たちの実像に迫る業界物語。
現在のような日本独自の居酒屋チェーンを始めたのは、1950年に浅草・千束で総菜屋兼焼き鳥屋を開業した「鮒忠」で、78年には100店舗を展開。米軍のブロイラーに着目して焼き鳥を居酒屋の定番商品に育てた創業者の根本忠雄は、日本の居酒屋文化の原型を築いた。
以降、アメリカ発祥のフランチャイズ方式そっくりの方法を開発して1240店舗を実現した「養老乃瀧」創業者の矢満田富勝から、現在、市場に新たな旋風を巻き起こしている立ち飲みチェーン「晩杯屋」の金子源まで。奇人・変人たちが織りなす居酒屋の興亡史をたどる。
(イースト・プレス 861円+税)