「酒と人生の一人作法」太田和彦著

公開日: 更新日:

 北海道はかつては米の生産に不適だったので日本酒造りの歴史は浅いが、ビールはうまい。料理は炉端焼きが多くて、魚も野菜も囲炉裏で焼いて食べる。寒い外から来た客は燗のつくのを待てないから、鉄瓶や瓶で温めてある酒をすぐ出す。冷たい生魚の刺し身は食べたくないし、ビールに合わないから、魚は干物で、基本はホッケ、ニシンだ。赤々とした火がいちばんのもてなしなのは、開拓当時の記憶を伝えるDNAだと著者はいう。関東はマグロ、カツオが中心で、すぐ出る刺し身に慣れているから、東京者は料理が遅いといらいらする。だが、関西は酒より食べ物優先だから、「少々お時間かかります」と言われても悠然としている。(居酒屋と風土)

 独酌を楽しむ人生エッセー。

(亜紀書房 1500円+税)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元グラドルだけじゃない!国民民主党・玉木雄一郎代表の政治生命を握る「もう一人の女」

  2. 2

    深田恭子「浮気破局」の深層…自らマリー・アントワネット生まれ変わり説も唱える“お姫様”気質

  3. 3

    火野正平さんが別れても不倫相手に恨まれなかったワケ 口説かれた女優が筆者に語った“納得の言動”

  4. 4

    粗製乱造のドラマ界は要リストラ!「坂の上の雲」「カムカムエヴリバディ」再放送を見て痛感

  5. 5

    東原亜希は「離婚しません」と堂々発言…佐々木希、仲間由紀恵ら“サレ妻”が不倫夫を捨てなかったワケ

  1. 6

    綾瀬はるか"深田恭子の悲劇"の二の舞か? 高畑充希&岡田将生の電撃婚で"ジェシーとの恋"は…

  2. 7

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 8

    “令和の米騒動”は収束も…専門家が断言「コメを安く買える時代」が終わったワケ

  4. 9

    長澤まさみ&綾瀬はるか"共演NG説"を根底から覆す三谷幸喜監督の証言 2人をつないだ「ハンバーガー」

  5. 10

    東原亜希は"再構築"アピールも…井上康生の冴えぬ顔に心配される「夫婦関係」