「子どもの目が危ない」大石寛人、NHKスペシャル取材班著
近視による「視力が低下して見えにくい」という症状は、結果のひとつであり、他にも多様かつ深刻な影響があることが分かってきた。専門家によると、近視を入り口に、失明に至るリスクが上昇するだけでなく、うつ病など、目と関わりがなさそうな病気のリスクまで高まる「万病のもと」なのだという。著者らが小学生を対象に行った調査では、全体の半数以上、6年生では8割以上が近視だった。近視の子どもの目は、眼球の長さ(奥行き)が伸びており、この伸びによって白内障や緑内障などの合併症のリスクが上昇するそうだ。
一方で、進行を抑制する新しい治療法などの対処法も明らかになりつつある。ステイホームで目とモノとの距離が近い「近業」時間が長くなった現代人必読の健康リポート。
(NHK出版 913円)