「スマホ脳」アンデシュ・ハンセン著 久山葉子訳
現代人はスマホに1日4時間、若者の2割は7時間も費やしている。この急激な行動様式の変化は人間にどのような影響をもたらしたのかを、スウェーデンの精神科医が明らかにする警世の書。
進化の見地から見れば、自動車や電気、スマホなどが現れたのは一瞬前のことであり、人間はそのほとんどの時間を狩猟採集民として生きてきた。その過酷な環境に適応するために進化した脳は、変化の激しい現代社会には適応できていないという。結果、スウェーデンでは大人の9人に1人が抗うつ薬の処方を受けている。画面をタップするだけで世界中の娯楽に接続できるのになぜ人々の気分が落ち込むのか。
スマホがドラッグのように人間の脳を虜にして、そしてむしばんでいく現実を最新の科学をもとに解説。
(新潮社 980円+税)