「やりすぎ教育」武田信子著
日本の子どもたちは、成績はもちろんのこと、赤ん坊時代のミルクを飲む量からコミュニケーション能力まで、ありとあらゆることが数値化され、比較と競争を強いられる。
親にとって子育ては、子を授かるのではなく「計画的に作り」、育つのではなく「育て」、育ったら「市場に出す」ものになってしまった。その結果、ユニセフの調査では、日本の子どもの「精神的幸福度」や社会的スキル(すぐに友達ができる)は多くの国の中でワースト2位だという。他者に勝つことが幸せにつながると子どもを信じ込ませ、比較してみせ、競争に追い込む。この考え方が子どもに幸せをもたらすのか。
本書は、「成功を目指す教育」の限界を指摘し、健全な成長と学びとは何かを解き明かす子育て中の親必読の書。
(ポプラ社 979円)