「小さな小さなウイルスの大きなはなし」伊沢尚子文、坂井治絵、中屋敷均監修
新型コロナパンデミックが始まって間もなく2年。大人は右往左往してきたが、事情も分からず振り回されてきた幼い子どもたちはもっと大変だったに違いない。そんな幼子たちと、ウイルスとはどんなものか、改めて一緒に学ぶサイエンス絵本。
ウイルスは周りにたくさんいるというが、見えないのは小さいから。ではどのくらい小さいかというと、ヒトの10000000分の1くらい。これは地球と比べたヒトの大きさと同じだという。
続いて細胞とウイルスの違いについて。細胞もウイルスも自分に似た仲間を増やす。そのための設計図が遺伝子だ。遺伝子を読み取り部品を作る工場も必要で、細胞は遺伝子も工場もあるから自分で増えることができる。
でも、ウイルスは遺伝子はあるけど工場がないから仲間を増やせない。だから細胞に入りこみ、細胞の工場で仲間を作ってもらう。これが「感染」だ。
以降、病気を起こすもの、起こさないものがいること、ヒトに感染して増える過程、ウイルスから身を守る方法など。易しい解説と視覚効果でウイルスの基本を伝える。
(くもん出版 1540円)