公開日: 更新日:

 森林は、気候変動対策の切り札とされ、伐採や火災による森林面積の減少が危惧されてきた。

 ところが、著名科学誌に掲載された論文によると、この35年間で地球上の森林は7%、日本の国土の6倍以上にあたる224万平方キロメートルも増えているという。

 また、植物は光合成もするが呼吸によって酸素を吸収して二酸化炭素を放出もしている。さらに、森林に生息するキノコやカビなどの菌類が、有機物を分解し、二酸化炭素を排出しており、森林全体で見ると二酸化炭素と酸素の差し引きはプラスマイナスゼロだそうだ。

 本書は、こうした誰もが抱いているステレオタイプの「環境・森林を巡る常識」に異論を申し立て、検証を試みたテキスト。

 他にも、森林が洪水・渇水・山崩れを防いでいるや、森こそが生物多様性を支える存在である、除草剤は生態系を狂わすなど、常識のバイアスに曇った目を見開かせてくれる衝撃本。

(新泉社 2200円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    福原愛が再婚&オメデタも世論は冷ややか…再燃する「W不倫疑惑」と略奪愛報道の“後始末”

  2. 2

    「年賀状じまい」宣言は失礼になる? SNS《正月早々、気分が悪い》の心理と伝え方の正解

  3. 3

    「五十年目の俺たちの旅」最新映画が公開 “オメダ“役の田中健を直撃 「これで終わってもいいと思えるくらいの作品」

  4. 4

    放送100年特集ドラマ「火星の女王」(NHK)はNetflixの向こうを貼るとんでもないSFドラマ

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「ミッション・コンプリート」発言が大炎上→陳謝のお粗末…「年収の壁」引き上げも減税額がショボすぎる!

  1. 6

    どこよりも早い2026年国内女子ゴルフ大予想 女王候補5人の前に立ちはだかるのはこの選手

  2. 7

    出家否定も 新木優子「幸福の科学」カミングアウトの波紋

  3. 8

    「M-1グランプリ2025」超ダークホースの「たくろう」が初の決勝進出で圧勝したワケ

  4. 9

    「核兵器保有すべき」放言の高市首相側近は何者なのか? 官房長官は火消しに躍起も辞任は不可避

  5. 10

    楽天が変えたい「18番は田中将大」の印象…マエケンに積極譲渡で“背番号ロンダリング”図る