「お金の流れで見る明治維新」大村大次郎著
幕末から明治維新にいたる歴史をお金の動きから読み解くテキスト。
当初、幕府は経済的に絶対的な優位に立っていた。しかし、商工業の発展とともに米が中心だった経済システムが変化。米の価値が下がり幕府や諸藩の財政が悪化する。
さらに、税制は年貢が中心で、商工業にはあまり税を課していなかった。幕府は家康が残した莫大な資産を切り崩ししのぐが、黒船来襲による開国・開港後の10年間で、物価が10倍以上に跳ね上がる。
そんな中、諸藩にとって財政悪化の一因だった参勤交代が廃止され、いち早く財政再建に成功した薩摩藩や長州藩が軍備を増強し、倒幕に動き出したという。
大政奉還や江戸城無血開城などを経済の面から解説した面白本。
(PHP研究所 836円)