「地球の歩き方 宇宙兄弟 We are Space Travelers!」地球の歩き方編集室編

公開日: 更新日:

「地球の歩き方 宇宙兄弟 We are Space Travelers!」地球の歩き方編集室編

 民間人でも宇宙旅行が可能な時代となり、あの老舗が宇宙を旅するためのガイドブックを出した、というわけではない。

 本書は、大人気マンガ「宇宙兄弟」(小山宙哉作 週刊モーニング連載)の物語の舞台をさまざまな視点から案内してくれる、コラボレーション企画。

 作品は、30歳を過ぎてから宇宙飛行士を目指す南波六太と、既に宇宙飛行士となって月面滞在ミッションにも選ばれた弟・日々人の挑戦と、宇宙や宇宙開発現場のリアルを描いている。

 本書では、まず兄弟が子どもの頃から通い、宇宙への思いを募らせた筑波宇宙センターの見学と星空観測ツアーを組み合わせた旅行プランを提案。

 さらに、NASA(アメリカ航空宇宙局)の心臓部であるジョンソン宇宙センターがあるヒューストンや、ケネディ宇宙センターがあるフロリダをはじめ、日本最大のロケット発射場「種子島宇宙センター」の種子島などを収録。

 そしてロシアの宇宙開発施設が集まるモスクワ近郊の「星の街(スターシティー)」や、ロシアのロケットが打ち上げられるカザフスタンのバイコヌール宇宙基地などを、登場人物たちのスタイルに合わせた旅のモデルプランも添えて、「地球の歩き方」的に案内する。

 もちろん、ドリームプランとして実業家の前沢友作氏が実際に参加したり、その権利を取得して話題になった国際宇宙ステーション(ISS)滞在ツアーやイーロン・マスク氏が率いるスペースX社が催行する月周回ツアーなども紹介。そしてまだ誰も経験したことがない火星の「歩き方」をはじめ、実際に宇宙旅行を体験した前沢氏や作者の小山氏へのインタビューなど、盛りだくさんの内容で読むだけで宇宙旅行への期待が高まる。

 宇宙規模の「聖地巡礼」のためのガイドブックだ。

(地球の歩き方 2420円)

【連載】発掘おもしろ図鑑

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    元横綱・三重ノ海剛司さんは邸宅で毎日のんびりの日々 今の時代の「弟子を育てる」難しさも語る

  2. 2

    巨人・岡本和真を直撃「メジャー挑戦組が“辞退”する中、侍J強化試合になぜ出場?」

  3. 3

    3年連続MVP大谷翔平は来季も打者に軸足…ドジャースが“投手大谷”を制限せざるを得ない複雑事情

  4. 4

    高市政権大ピンチ! 林芳正総務相の「政治とカネ」疑惑が拡大…ナゾの「ポスター維持管理費」が新たな火種に

  5. 5

    自民党・麻生副総裁が高市経済政策に「異論」で波紋…“財政省の守護神”が政権の時限爆弾になる恐れ

  1. 6

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 7

    沢口靖子vs天海祐希「アラ還女優」対決…米倉涼子“失脚”でテレ朝が選ぶのは? 

  3. 8

    矢沢永吉&甲斐よしひろ“70代レジェンド”に東京の夜が熱狂!鈴木京香もうっとりの裏で「残る不安」

  4. 9

    【独自】自維連立のキーマン 遠藤敬首相補佐官に企業からの違法な寄付疑惑浮上

  5. 10

    高市政権マッ青! 連立の“急所”維新「藤田ショック」は幕引き不能…橋下徹氏の“連続口撃”が追い打ち