<第1回>姉と比較され「存在そのものが失敗」と言われた幼少期
とはいえ、一番上の姉が女優になっても羨ましくなかったし、自分に芸能の仕事が向いているとも、まして続けられるとも思ってはいなかった。ずっと下を向いて育ってきた反動か、学級新聞にアグネスのページができて、「今度はこんな毒舌を吐いた」なんて書かれていましたから。
ところが! 「アグネス・チャン ショー」というTV番組に平尾昌晃さんがゲスト出演して下さった後、日本デビューという道が突然目の前に敷かれたのです。「香港から来た妖精」などとPRしてもらいましたけど、お風呂にも入らないネクラな毒舌娘がどうしてそうなってしまうのか、いま考えても首をかしげてしまいます。でも運命って、自分の意思とか、夢とは違うところで決まっていくのかも知れませんね。私たちアラ還の道のりも、そうやってはじまり、走り始めたのだと思っています。(つづく)