ケーキ屋ケンちゃんが居酒屋けんちゃんに?
クルクルクル~のカランコロン!!
おっと、目の前で俺と「おつかれさま~カチーン!」とビールのグラスを重ねているのは、かつて天才少年子役として日本中の小学生の優等生の代表のようになったケンちゃんシリーズの主役(「ケーキ屋ケンちゃん」「おもちゃ屋ケンちゃん」「すし屋のケンちゃん」など多数)宮脇康之(現・健)くんじゃないの……ってことは、俺が主役をやらせていただいた映画「銀玉マサやん」の時だから1990年の前半ということだろうなぁ……。
それにしても、俺と同じ時代(1959年生まれ)に小学生を過ごした者たちはこのケンちゃんこと宮脇くんをだれもが憎んだろうなあ?
とにかくケンちゃんは親は助けるわ、お店は助けるわ、学校の先生は助けるわの超スペシャル、ウルトラいい子だったものだから、当時の親たちはテレビドラマのケンちゃんを何かというと持ち出して、「あ~あ、ケンちゃんはあんなにお手伝いしてくれるのにまったくうちの子はねぇ……」「ケンちゃんみたいなしっかりした子の親になってみたいものだわねぇ」「親は子を選べないからねぇ、グチグチグチ……」と、ことあるごとにケンちゃんと比べられる、つらくて悔しい日々があったのです。