著者のコラム一覧
ダンカンお笑いタレント・俳優・放送作家・脚本家

本名・飯塚実。1959年、埼玉県毛呂山町生まれ。落語家を目指し立川談志に弟子入り。「立川談かん」として活動した後、たけし軍団入り。お笑いタレント、俳優、放送作家、脚本家と多才で、現在はTAPの専務取締役。

ケーキ屋ケンちゃんが居酒屋けんちゃんに?

公開日: 更新日:

■宮脇康之くんは酒に弱かったのだ

 それから長い時間が過ぎ、よもや大人になってケンちゃんと、こーして一緒に仕事ができるなんて……小学生の頃は恨みもしたけど、やっぱりあの日本中の憧れのケンちゃんが目の前にいるというのは、かなりの感激であった。

「ダンカンさん、僕の芝居、大丈夫ですかね?」と神妙に尋ねてくるケンちゃん、いや宮脇くん、「えっ? 何言ってんの!? 宮脇くんの方が俺なんかよりずーっと芸歴が長いんだから、大丈夫に決まってるじゃん、さ、飲も! 飲も!」と言いながら、俺は心の中で「ジ~ン(感動)芸能界の大先輩なのに、この真摯な振る舞い! あの小学生のケンちゃんはそのまま健やかに育ち、立派な大人になっていたのだなあ……ウウウ、何かもう同じ世代として、俺は誇っちゃう胸張っちゃうもんねぇ」と涙がこぼれそうだったものでした……。

 ところが、その健やかに大人に成長したケンちゃんが豹変するのにさほどの時間はかからなかったのだった……。


 なごやかに20分も杯を交わしていたら突然ケンちゃんの目が据わり、「おう、ところでダンカンよォ」「はっ、ダンカン!?」「あ~、タケちゃんはどーいう人なんだよ?」「タケちゃん?」「ビートたけし」「うん、大好きでたまらない人だけど」「タケちゃんと話してーなあ!! 電話しろよ今、ホラ」「いや、それは迷惑だし……」「オレがしろって言ってんだよー!!」と、もうそこにはあのケーキ屋ケンちゃんの頃の純粋さはみじんもなく、支離滅裂で酒にのまれる「居酒屋ケンちゃん」がいたのだった。

 その後、何度も飲んだが、子役の頃からプレッシャーや家庭の問題があったそうで……子役って大変なんだな……俺、普通のおバカな小学生でよかったなあ。うん……また、ケンちゃんと飲みたくなった。

(つづく)

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ロッテ佐々木朗希は母親と一緒に「米国に行かせろ」の一点張り…繰り広げられる泥沼交渉劇

  2. 2

    米挑戦表明の日本ハム上沢直之がやらかした「痛恨過ぎる悪手」…メジャースカウトが指摘

  3. 3

    陰で糸引く「黒幕」に佐々木朗希が壊される…育成段階でのメジャー挑戦が招く破滅的結末

  4. 4

    9000人をリストラする日産自動車を“買収”するのは三菱商事か、ホンダなのか?

  5. 5

    巨人「FA3人取り」の痛すぎる人的代償…小林誠司はプロテクト漏れ濃厚、秋広優人は当落線上か

  1. 6

    斎藤元彦氏がまさかの“出戻り”知事復帰…兵庫県職員は「さらなるモンスター化」に戦々恐々

  2. 7

    「結婚願望」語りは予防線?それとも…Snow Man目黒蓮ファンがざわつく「犬」と「1年後」

  3. 8

    石破首相「集合写真」欠席に続き会議でも非礼…スマホいじり、座ったまま他国首脳と挨拶…《相手もカチンとくるで》とSNS

  4. 9

    W杯本番で「背番号10」を着ける森保J戦士は誰?久保建英、堂安律、南野拓実らで競争激化必至

  5. 10

    家族も困惑…阪神ドラ1大山悠輔を襲った“金本血縁”騒動