草彅剛が最新主演映画で見せつけた“憑依型俳優”の新境地
「また演技の幅を広げた」と、もっぱらの評判だ。主演映画「ミッドナイトスワン」が全国公開中の、俳優の草彅剛(46)。
草彅はこの作品の中で、身体と心の葛藤を抱えるトランスジェンダーの凪沙を演じている。映画サイトの作品レビューでも高得点をつけて感想を書き込む人が非常に多く、<草彅剛の代表作となることは間違いない>というのが大方の意見だ。
芸能ライターのエリザベス松本氏は「ミッドナイトスワン」について「母性、人と人との繋がり、葛藤、そして生きていく苦しみや痛みが真正面から描かれた作品。重い内容でもあるため、正直、コロナ禍のいま公開することに賛否両論はあるかもしれません」と前置きして、こう続ける。
「鑑賞中は、つらくて目をそむけたくなる気持ちに何度か襲われました。それでもスクリーンから目が離せなかったのは、やはり草彅さんが繊細かつ自然に凪沙になりきっていたから。とくにバレエの先生から誤って『お母さん』と呼びかけられるシーンで見せた、照れたようなほほ笑みが素晴らしかった。『いまこの瞬間に凪沙の中に母性が強く芽生えたのだ』とはっきりと分かる見事な演技でした」