たけしさんを呆れさせた俺流ゴルフの顛末、聞いてくれ
ところが、コンペ当日、ゴルフのボールやティーさえ貧乏で持っていない始末でした。
見かねたたけしさんが「ロビーのショップで俺の名で買っていいよ!」と言ってくださったので、これ見よがしに、ウエアからスパイクシューズまで勝手に買い、上から下まで一新して登場した俺の姿に「てめー、この野郎、俺の金で、ブティック来てんじゃねーんだからな!!」と笑いながら怒っていました。そのうえ俺が「今、会員権の手配もしてもらってます」と付け加えたら、さらに「てめー!」と笑ってくれたのでした(当時のゴルフ会員権は名門コースだと億はしていたのです)。
しかし、そんな日々も長くは続きませんでした。ある日たけしさんにゴルフ場へ連れて行ってもらい、プレーをした時のことです。たけしさんは真っすぐのボールでフェアウエーキープの腕前なのですが、一方、俺といえば木の間に入ったり急斜面の頂上にボールが曲がったり、ほとんどコース上に姿を現しませんでした。それでも若いのでパワーはあり、ボールは飛んだのでしょう、お互いカップにボールを入れて「ダンカン今、何打?」「はい、ボギー(パーより1打多い)です」「えっ、俺もボギーだよ……なんでまともにコースに出ても来ないおまえと俺が同じスコアなんだよ!! もうイヤだ!! おまえは二度と連れてこない!!」とそこでも笑いながら怒っていました(真剣に怒ってませんよ)。それから俺はゴルフより草野球に力を入れて、ゴルフとは疎遠になっていたのでした……。 (つづく)