八代亜紀さんは「人の機微」がわかる方 人の成功や幸せを心から喜んでいるような方でした
帰り際には真顔で「本多先生、これからもいくよ・くるよさんにおもしろい漫才を書いてあげてくださいね。よろしくお願いします」と畳に手をついて頭を下げられた姿が目に焼き付いています。
それから十数年後トーク番組のゲストに来ていただき、楽屋でこの話をすると思い出してくださって、漫才の他にもテレビの構成、吉本新喜劇の脚本、NSCの講師をしていることをお伝えすると両手を握って「よく頑張ったわね! 良かったわ~! うれしいな~!」と目をキラキラさせながら、我が事のように喜んでくださいました。
数多くのスターのみなさんがそうであったように、スタッフひとりひとりに丁寧に挨拶をされて、観覧のお客さんにも「今日はありがとうございます」と頭を下げて本当にうれしそうに笑顔を振りまいておられました。
長い下積み時代を経験されてきたこともあるのでしょうが、人の機微がおわかりになるというか、人の成功や幸せを心から喜んでらっしゃるような方でした。
そういう心の豊かさが人を引きつけて離さない八代節を生み出していたのではないでしょうか。素晴らしい歌声をありがとうございました。あの慈悲に満ちたすてきな笑顔忘れません! ご冥福をお祈りします。