坂田利夫師匠の芸人魂「お客さんの前に出たら(痛みを)忘れとんな。アリナミンが出るんやな」「アドレナリンや!」
坂田利夫師匠の巻
昨年末、お亡くなりになった坂田利夫師匠(享年82)。私も1985年に初めてお目にかかって以降、楽屋やテレビ局はもちろん、何度もロケでご自宅へ伺い、40年近くお世話になりました。
代名詞はみなさんご存じの「アホの坂田」でしたが、素顔はシャイでダンディーで優しくて、いらっしゃるだけで、その場が明るくなる師匠でした。
「おはようございます!」と挨拶すると「おはようさんさ~ん!」や「グッドモーニング!」。「お疲れさまでした!」には「お疲れさんさん、ありがとさ~ん!」「サンキューベンジョマッチ!」の後にこぼれるような笑顔で「また、頼むわな~!」と手を振り頭を下げて、さっそうと帰って行かれました。
若い芸人やスタッフにもいつも「(君は)いくつや?」「頑張りや、この世界は辛抱やからな」と励ましの言葉をかけておられました。セキュリティーの厳しくなった今ではもうできなくなりましたが、20年以上前には出会ったヤクルトレディーさんを連れて楽屋入りし「なんでも好きなもん飲めよ~!」と芸人、スタッフ関係なく集合をかけて、支払いが終わると「ディナーの金がなくなったわさ~!」とひと笑いをとって楽屋へ行かれました。