著者のコラム一覧
本多正識漫才作家

1958年、大阪府生まれ。漫才作家。オール阪神・巨人の漫才台本をはじめ、テレビ、ラジオ、新喜劇などの台本を執筆。また吉本NSCの名物講師で、1万人以上の芸人志望生を指導。「素顔の岡村隆史」(ヨシモトブックス)、「笑おうね生きようね いじめられ体験乗り越えて」(小学館)などの著書がある。新著「1秒で答えをつくる力──お笑い芸人が学ぶ『切り返し』のプロになる48の技術」(ダイヤモンド社)が発売中。

「令和ロマン」は発想がユニーク ありふれたテーマでも話の裏切り方がしっかりしている

公開日: 更新日:

M-1グランプリ2023」で、不利といわれるトップバッター出番で第1回大会王者の中川家以来の栄冠を勝ち取った令和ロマン。NSC在学時は「魔人無骨」というコンビ名で活動していたので、最初は「令和ロマン」と一致しませんでした。東京NSC23期生で卒業前の大ライブで優勝し、首席卒業していた実力派でした。

 学生時代にお笑いサークルなどで漫才やコントをやっていた子たちも数多く入学してきます。そういったお笑いサークル出身者は入学時は「うまい」「おもしろい」「テンポがいい」「慣れている」印象を受けます。確かに、何もやっていなかった「素人」の生徒たちより「場数」を踏んでいるので、最初のネタ見せの授業では優れています。

 ところがやり慣れた得意ネタを披露する最初のネタ見せがMAXで、私を含めた多くの講師にダメ出しを受け、回を重ねるごとにその輝きは薄れていく人がほとんどです。

 しかし「魔人無骨(令和ロマン)」は違いました。ネタ見せの際にはコンビ・個人のプロフィルが用意されているのですが、私は先入観にとらわれたくないので一切見ないようにしていますが、23期が始まってほどなくして「慶応のお笑いサークル出身のセンス抜群の男性コンビがいる」と生徒間や事務所で話題になっていたので、すぐに彼らだとわかりました。

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