「令和ロマン」は発想がユニーク ありふれたテーマでも話の裏切り方がしっかりしている
「M-1グランプリ2023」で、不利といわれるトップバッター出番で第1回大会王者の中川家以来の栄冠を勝ち取った令和ロマン。NSC在学時は「魔人無骨」というコンビ名で活動していたので、最初は「令和ロマン」と一致しませんでした。東京NSC23期生で卒業前の大ライブで優勝し、首席卒業していた実力派でした。
学生時代にお笑いサークルなどで漫才やコントをやっていた子たちも数多く入学してきます。そういったお笑いサークル出身者は入学時は「うまい」「おもしろい」「テンポがいい」「慣れている」印象を受けます。確かに、何もやっていなかった「素人」の生徒たちより「場数」を踏んでいるので、最初のネタ見せの授業では優れています。
ところがやり慣れた得意ネタを披露する最初のネタ見せがMAXで、私を含めた多くの講師にダメ出しを受け、回を重ねるごとにその輝きは薄れていく人がほとんどです。
しかし「魔人無骨(令和ロマン)」は違いました。ネタ見せの際にはコンビ・個人のプロフィルが用意されているのですが、私は先入観にとらわれたくないので一切見ないようにしていますが、23期が始まってほどなくして「慶応のお笑いサークル出身のセンス抜群の男性コンビがいる」と生徒間や事務所で話題になっていたので、すぐに彼らだとわかりました。