「50歳過ぎて性格に変化アリ」なら認知症を疑うべき

公開日: 更新日:

 一方、脳の神経細胞が壊れて起こる症状が「中核症状」。代表的なのが物忘れだ。認知症で最も多いアルツハイマーは、海馬の萎縮が一般的で、中核症状が先に見られ、次第に周辺症状が表れるようになる。

「しかし、それは典型的なアルツハイマーのことです。中には、海馬の萎縮とともに、前頭葉などがちょっと萎縮して、周辺症状、つまり性格の変化が目立つこともあります。また、物忘れがひどいことに漠然とした不安を感じているため、他人から指摘された時、気持ちを抑制できず、不安を怒りに変えて放出してしまう。これらのケースは珍しくありません」

 認知症は、残念ながら「治らない病気」だ。しかし、早期発見するかしないかは、その後の進行に大きな影響を与える。

「早い段階で薬を処方すると、進行のスピードを抑えられます。軽度の認知症なら、社会生活を普通に送ることができます。私は、明らかに脳の萎縮が見られない場合でも、認知症の気があると判断した場合は、薬を処方することがあります」

 賢治さんは周囲の勧めもあり、妻を心療内科に連れていった。そこから紹介された脳神経内科で「認知症の一種であるピック病」と診断された。現在、薬物治療を受けている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」