インフルやノロの季節でも…手を洗いすぎると病気になる
手をしっかり洗いましょう――。インフルエンザやノロウイルスが流行していることで、普段以上に除菌や殺菌効果をうたった石鹸(せっけん)やハンドソープでゴシゴシと手を洗っている人も多いだろう。
だが、ほどほどにしておいた方がいい。熱心に手を洗いすぎると、肌が荒れるだけでなく、逆に病気にかかりやすくなってしまうからだ。
東京医科歯科大名誉教授で、人間総合科学大教授の藤田紘一郎氏は言う。
「我々の皮膚には〈常在菌〉と呼ばれる菌がたくさんいます。この常在菌は大切な役割を果たしていて、病原菌の侵入を防いだり、免疫バランスや水分を保つ働きをしています。殺菌効果がある石鹸やハンドソープを使って手を洗いすぎると、そうした必要な菌まで殺してしまうのです」
人間の皮膚に存在する表皮ブドウ球菌やアクネ菌といった常在菌は、皮膚の表面にある脂肪を食べて分解し、皮膚に弱酸性の膜を作っている。この膜が肌の水分を保ったり、アレルギーの原因となるアレルゲンや病原菌の侵入を阻止している。