「胆石」を放置するとこんなに怖い…胆のうがん発症の恐れも
胆のうがん発症も…
成人の10人に1人は持っているといわれているのが胆石だ。健康診断や人間ドックで指摘されたことがある人も多いだろう。“持っている”だけでは特に症状がないので甘く見てしまいがちだが、放置したばかりに後悔先に立たず……ということがある。どう対処すべきか、杏雲堂病院肝臓内科・小尾俊太郎部長に聞いた。
胆汁の成分が固まってできる胆石には、その成分によって、コレステロール結石とビリルビン結石に分けられる。
「コレステロール結石は、胆石の全体の8割を占めています。成分は名前の通りコレステロールで、高カロリー、高脂肪の食生活が要因になります。ビリルビン結石は逆に、極端な低脂肪・低カロリーなど低栄養で胆のうが収縮せず、胆汁が停滞してできたもの。ビリルビンカルシウムが原料です。以前はビリルビン胆石が日本人に多かったのですが、食生活の欧米化で、今はコレステロール胆石が増えています」
胆のうは脂肪の消化を助ける胆汁を濃縮してためる臓器だ。脂肪を含む食事をすると、胆のうが収縮して、胆汁と食べ物が混ざる。冒頭の通り、胆石を持っていても、胆のうにとどまっているだけでは症状はない。