メイ英首相は56歳で発症 1型糖尿病は“大人の病気”だった
「日本では糖尿病患者さんの5%が1型糖尿病ですが、北欧では30%近くいます。原因はハッキリしていませんが、1型糖尿病になりやすい複数の遺伝子の組み合わせがあると推測されていました。それを解明したうえでの発表でしょうが、それこそが大きな驚きです」
1型糖尿病には2つのタイプが知られている。「緩徐進行1型」と「劇症1型」だ。
「前者は2型糖尿病と同じく、ゆっくりと進行して最終的に1型になるタイプです。日本では2型糖尿病と思われている症例の8%に認められます。しかし、欧米では10%になることが分かっています。後者は風邪症状から1週間以内に発症します。インスリンが絶対的に不足して糖尿病性ケトアシドーシスの状態になり、失神して救急車で運び込まれることが多いようです」
■1型と2型で異なる治療方法
ある40代の女性は10年前に2型糖尿病と診断された。この時点の食後血糖値は377mg/dl、HbA1cは9.8%。飲み薬では血糖値が下がらず、すぐに1日2回のインスリン注射療法に切り替えた。今年9月に体から分泌されるインスリンがゼロになり、改めて緩徐進行1型糖尿病と診断された。