著者のコラム一覧
永田宏長浜バイオ大学元教授、医事評論家

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

お金持ちほど健康に 貧富・学歴差が寿命を左右する時代

公開日: 更新日:

 米国では、貧困層ほどハンバーガーなど高カロリー・高脂質で、かつビタミンやミネラルに乏しい食事を多く取っていることが知られています。

 貧富の差は病院の受診にも影響を与えます。日本は国民皆保険であるため、制度上は貧富の差なく医療の平等性が確保されています。しかし貧困世帯の中には、わずかな患者負担にすら耐えられないため、受診を控える動きが出てきているのです。とくに年金だけが頼りの高齢者のあいだで、通院をやめてしまう人が増えているという指摘もあります。

 学歴格差も健康に影響を及ぼすことが分かっています。米国で行われた研究では、高学歴の人ほど自分の健康に気を使い、健康に良い生活習慣を心掛ける傾向が強いことが明らかになっています。また日本では、低学歴者は高学歴者よりも死亡率が高いことが分かっています。学歴は本人の資質だけでなく、親の経済力にも大きく左右されます。

〈表〉は東大生の親の年収分布をまとめたものです。このまま進めば、貧富の差による健康格差が次第に「世襲化」していくのかもしれません。

【連載】「多死社会」時代に死を学ぶ

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    カーリング女子フォルティウス快進撃の裏にロコ・ソラーレからの恩恵 ミラノ五輪世界最終予選5連勝

  2. 2

    南原清隆「ヒルナンデス」終了報道で心配される“失業危機”…内村光良との不仲説の真相は?

  3. 3

    契約最終年の阿部巨人に大重圧…至上命令のV奪回は「ミスターのために」、松井秀喜監督誕生が既成事実化

  4. 4

    「対外試合禁止期間」に見直しの声があっても、私は気に入っているんです

  5. 5

    高市政権「調整役」不在でお手上げ状態…国会会期末迫るも法案審議グダグダの異例展開

  1. 6

    円満か?反旗か? 巨人オコエ電撃退団の舞台裏

  2. 7

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  3. 8

    箱根駅伝3連覇へ私が「手応え十分」と言える理由…青学大駅伝部の走りに期待して下さい!

  4. 9

    「日中戦争」5割弱が賛成 共同通信世論調査に心底、仰天…タガが外れた国の命運

  5. 10

    近藤真彦「合宿所」の思い出&武勇伝披露がブーメラン! 性加害の巣窟だったのに…「いつか話す」もスルー