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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

「3大疾病」による死亡は増えているのか

公開日: 更新日:

 少し前までは、「がん」「心臓病」「脳卒中」は「3大疾病・3大死因」などと呼ばれていました。このうち、脳卒中は2011年に肺炎に抜かれて4位に後退しましたが、今回は3大疾病の一員として扱うことにします。

 とはいえ、これら3つの病気による死亡率は、必ずしも伸びているわけではありません。表面的な数字は伸びているようにも見えますが、過去の数字と単純に比較するわけにはいきません。高齢化が進んで、人口構成が変わってしまったからです。そこで「年齢調整死亡率」という指標がよく使われます。1985年の人口構成を基準に、現在の人口構成に補正をかけて死亡率を計算し直すのです。すると、まったく異なる景色が見えてきます。

〈表〉は、1985年と2015年の死亡率と、年齢調整死亡率をまとめたものです。「がん」(悪性新生物)の1985年当時の死亡率(男)は214.8でした。男性10万人当たり、214.8人が、がんで亡くなったことを意味しています。それが2015年には369.7に増えています。これだけを見れば、確かにがん死が増えていることになります。

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