治らない喘息に新治療 気管支サーモプラスティの実力とは

公開日: 更新日:

 治療後は、徐々に喘息症状の緩和が得られていく。効果が得られる患者は、峯下教授の経験では7割ほど。ステロイドの内服薬や分子標的治療薬をやめられるような、極めて高い効果が得られた患者もいる。

 優れた治療法だが、押さえておかなければならないポイントはいくつかある。まず、前述の通り、ガイドラインに沿った標準的な治療法が効かない患者が対象。コントロール不良の喘息患者には、喘息の管理が不十分な人が少なくない。まれには「そもそも喘息ではない」患者もいる。

「難治性とされていても、喘息を専門にする呼吸器内科医のもとで適切な治療を受ければ、症状がよくなる患者さんはかなりいるとみています」

 次に、現時点では気管支サーモプラスティが有効な患者さんを事前に見極める確たる方法がない。実際に治療を行い、しばらく経過を見ていかないと有効であったかどうかが分からない。

 さらに、今世紀になって開発された治療法で、日本では約2年、欧米では7年ほどしか経っていない新しい治療法だ。治療後5年間の有効性や安全性は研究で明らかだが、10年後、20年後も大丈夫かについてはまだ情報が乏しい。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度不倫の山本モナ 年商40億円社長と結婚&引退の次は…

  2. 2

    日本ハムFA松本剛の「巨人入り」に2つの重圧…来季V逸なら“戦犯”リスクまで背負うことに

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    「ばけばけ」好演で株を上げた北川景子と“結婚”で失速気味の「ブギウギ」趣里の明暗クッキリ

  5. 5

    「存立危機事態」めぐり「台湾有事」に言及で日中対立激化…引くに引けない高市首相の自業自得

  1. 6

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  2. 7

    (2)「アルコールより危険な飲み物」とは…日本人の30%が脂肪肝

  3. 8

    西武・今井達也「今オフは何が何でもメジャーへ」…シーズン中からダダ洩れていた本音

  4. 9

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  5. 10

    高市政権の物価高対策はパクリばかりで“オリジナル”ゼロ…今さら「デフレ脱却宣言目指す」のア然