【線維筋痛症】投薬治療で75%は痛みが半分以下に改善
■医師は患者と痛みの度合いを共有すること
明確な原因は分かっていないが、脳の痛みを感じる神経が過剰に働いたり、痛みを抑制する神経の働きが低下したりする「脳の機能異常」と考えられている。
「患者さんは誰にも痛みを理解してもらえず、途方に暮れて来院されます。治療を始めるに当たり、最も大切なのは医師が患者さんの痛みを肯定し、患者さんと医師が痛みの度合いを共有することです。それには電気刺激を用いて痛みの程度を数値化する『ペインビジョン』という装置を使って測定することで客観的な評価ができます」
しかし、ペインビジョンは高価なため、導入している医療機関は限られる。
それに保険診療で認められているFMの治療薬は、「プレガバリン」と「デュロキセチン」の2剤しかない。岡院長が2年前に同院を開業したのも、薬の種類や用量など保険診療内の治療だけでは効果に限界があるからだ。そのため保険診療と自由診療の両方で治療を行っている。
「多くの医師はプレガバリンを第1選択としていますが、眠気やふらつきなどの副作用があり、半数以上の患者さんは合いません。私の場合は、最初に『ノイロトロピン』(保険適用外)の点滴をして、効けば内服薬を処方する。第2選択はデュロキセチンで、プレガバリンはその後です」