皮膚や目を破壊しがん作る…日焼けダメージの怖さと中毒性
■麻薬の禁断症状と同じ症状が
紫外線は目にも影響を与える。紫外線の大半は眼球の表面の角膜と目の中でレンズ役を務める水晶体で吸収されるが、1~2%は網膜まで到達する。
その影響で急性の紫外線角膜炎、慢性の翼状片、白内障が起こることがある。
「紫外線角膜炎になると網膜の充血、異物感、流涙などの症状が表れ、ひどいと眼痛を生じます。翼状片は黒目に白目が翼状に侵入する繊維性の増殖組織。戸外での活動時間が長い人に多く見られ、外科手術が必要となる病気です」
白内障は目の中でレンズ役を担う水晶体が濁って網膜まで光が届かなくなる病気。初期には水晶体が硬くなるため老眼が進行し、濁りが強くなると視力が低下して、進行すると失明する。
紫外線にこれほど毒性がありながら、日焼けサロンに通うなど、人はなぜ過剰なまでに紫外線を浴びたがるのか?
紫外線の中毒性に注目した研究報告も行われている。2014年6月に発行されたアメリカの有名科学雑誌「セル」に掲載された研究論文がある。