皮膚や目を破壊しがん作る…日焼けダメージの怖さと中毒性
人間の皮膚は外側から表皮、真皮、皮下組織の3層構造からなり、UVBは表皮の底まで届く。そこには「メラノサイト」という色素細胞がある。それがUVBを感知すると、黒い色素メラニンが作られ、周囲に配布する。メラニンは基底細胞の上に傘のように覆いかぶさり、その核の中にある遺伝子を紫外線から守る。これが日焼けだ。
「日焼けは1カ月もすると、メラニンを含む細胞が剥がれ落ちて肌は元に戻ります。ただ、長く紫外線を浴びるとメラノサイトが影響を受けて、UVBを浴びなくてもメラニンを作り続けるなどさまざまな悪影響が出てくるのです」(石原院長)
一方、UVAは真皮まで届き、しわやたるみなどを起こす。真皮には皮膚の張りや弾力を保つコラーゲンなどの線維性の物質があるが、それが影響を受けて顔を動かしたときに、皮膚の一部にひずみができてしわやたるみができる。「皮膚は『心』を持っていた!」(青春出版社)の著者で桜美林大学の山口創教授が言う。
「皮膚へのダメージは人の意識を変える可能性すらあります。皮膚と脳は受精卵の外側にある外胚葉から派生し、皮膚が受け取る膨大な刺激は脳に直接伝わり、無意識のうちにさまざまな感情や知性を形成しているからです」