皮膚や目を破壊しがん作る…日焼けダメージの怖さと中毒性
実験用マウスを2群に分け、一方にのみ背中の毛をそり、白人がフロリダの真昼の太陽に20~30分当たるのと同程度の紫外線を6週間照射する実験が行われた。結果、1週間でβエンドルフィンの血中濃度が高まり、その群のマウスは実験中、人に触れられたり気温が上がったりしても動じなかった。ところが途中でβエンドルフィンの経路を遮断するナロキソンを投与すると、体が震え、歯がガチガチ鳴るといった麻薬の禁断症状と同じ症状が表れた。
「紫外線が皮膚にあたるとがん抑制遺伝子であるP53を活性化し、メラニン細胞刺激ホルモンであるプロオピオメラノコルチン(POMC)の転写を促します。POMCはメラニン色素とβエンドルフィンを生産する前駆体物質で、βエンドルフィンは、麻薬と同じ鎮痛効果や依存性があります。紫外線がこの物質を増やしているとすれば、紫外線中毒も存在するかもしれません」(石原院長)
健康のため日光に手などを20~30分さらす必要はあるが、長時間、戸外にいる人は紫外線対策をしっかりすることだ。