【パソプレッシン】尿量の調整など重要な役割を果たす

公開日: 更新日:

 脳の視床下部で作られ、その下にある下垂体後葉から分泌される「パソプレッシン」というホルモンがある。別名「抗利尿ホルモン(ADH)」とも呼ばれ、腎臓に働きかけて尿量を調節する重要な役割を果たしている。東京都立多摩総合医療センター内分泌代謝内科の辻野元祥部長が言う。

「脱水になると体をめぐる血液量が減少しますが、それを頚動脈や大動脈にある『圧受容体』というセンサーが感知し、視床下部に伝えます。また、脱水で血中の塩分濃度が上昇すると、視床下部自体の『浸透圧受容体』もシグナルを感知します。するとパソプレッシンの分泌が増加し、腎臓での水の再吸収を促進して尿量を減少させ、脱水の進行を食い止めようと働くのです」

 逆に、水分を過剰に取り過ぎたあとは、パソプレッシンの分泌が低下し、尿量が増加するという仕組みになっている。通常、成人の1日の排尿量は平均1~1.5リットル程度だが、「尿崩(にょうほう)症」という病気になると1日の排尿量が3~10リットルと増加し、多飲多尿になる。この病気の発症にもパソプレッシンが関係する。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    高嶋ちさ子「暗号資産広告塔」報道ではがれ始めた”セレブ2世タレント”のメッキ

  2. 2

    フジテレビ「第三者委員会報告」に中居正広氏は戦々恐々か…相手女性との“同意の有無”は?

  3. 3

    大阪万博開幕まで2週間、パビリオン未完成で“見切り発車”へ…現場作業員が「絶対間に合わない」と断言

  4. 4

    兵庫県・斎藤元彦知事を追い詰めるTBS「報道特集」本気ジャーナリズムの真骨頂

  5. 5

    歌手・中孝介が銭湯で「やった」こと…不同意性行容疑で現行犯逮捕

  1. 6

    大友康平「HOUND DOG」45周年ライブで観客からヤジ! 同い年の仲良しサザン桑田佳祐と比較されがちなワケ

  2. 7

    冬ドラマを彩った女優たち…広瀬すず「別格の美しさ」、吉岡里帆「ほほ笑みの女優」、小芝風花「ジャポニズム女優」

  3. 8

    佐々木朗希の足を引っ張りかねない捕手問題…正妻スミスにはメジャー「ワーストクラス」の数字ずらり

  4. 9

    やなせたかし氏が「アンパンマン」で残した“遺産400億円”の行方

  5. 10

    別居から4年…宮沢りえが離婚発表「新たな気持ちで前進」