痛みや恐怖感を減らす VRで“気をそらす治療”の凄い効果

公開日: 更新日:

 VRディストラクションによる実用化がとくに期待されているのはリハビリテーションだ。

「VRは脳をどう変えるか?」(文芸春秋)という本のなかで、やけどで入院中の子供の患者54人を対象にVRを使いながらのリハビリと、そうでない通常のリハビリをやってもらい、痛みの程度を比べた海外での実験が紹介されている。結果はVR使用の方が痛みは27~44%低下し、VRでのリハビリの方が楽しかったと答えたという。

「日本でも脳梗塞で後遺症が残った患者さんなどを対象にVRによるリハビリを施す研究・開発が行われています。患者さんがリハビリの痛みを忘れ、ゲーム感覚でより楽しくリハビリができるというわけです」

 例えば、あるソフトは上から落ちてくる物を腕を伸ばしてキャッチすることで体幹を鍛えてくれる。それとともに、物と患者の体の距離感覚を養うことができる。

「理学療法士の言う“あと30センチ腕を伸ばして”という感覚が患者さんと同じとは限らず、そのためにリハビリがうまくいかないケースもあるようです。その点でもVRリハビリは優れているといわれています」

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  4. 4

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  5. 5

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  1. 6

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    矢地祐介との破局報道から1年超…川口春奈「お誘いもない」プライベートに「庶民と変わらない」と共感殺到

  4. 9

    渡邊渚“逆ギレ”から見え隠れするフジ退社1年後の正念場…現状では「一発屋」と同じ末路も

  5. 10

    巨人FA捕手・甲斐拓也の“存在価値”はますます減少…同僚岸田が侍J選出でジリ貧状態