頭部打撲が多いとなぜ認知症発症リスクが高いと言われるか

公開日: 更新日:

 たまった脳のゴミが脳神経を障害し、記憶力や判断力、理解力などの認知機能を低下させ、日常生活に支障をきたすのだ。

 他の細胞なら失っても再生することがある。しかし、再生が難しい脳の神経細胞はいったんダメージを受けると元には戻らない。そのため、認知症を防ぐにはダメージの原因となる脳のゴミの蓄積を少なくすることが重要だ。

 では、脳内のゴミの蓄積はどうすれば減らせるのか。まずは脳のゴミ出し機能を維持することだ。

「脳のゴミ出しのシステムは長い間ナゾでしたが、徐々に明らかになっています。例えば、脳血管に沿う形で脳脊髄液と間質液が流れています。両者は絶えず交換されることで老廃物を間質から脳脊髄液へと排出しています。これをグリアリンパシステムと言います。最近では脳表面を覆う硬膜内にリンパ管が見つかりました。これらにより過剰なAβやタウタンパク質が排出されていると言われているのです」

■脳のゴミ出し機能が壊れる

 実際、Aβを過剰につくり出すマウスは硬膜内リンパが壊れると記憶をつかさどる脳の海馬にAβが沈着することがわかっている。同様の報告が複数あることから硬膜内リンパ管もまた異常タンパク質の排出に重要な役割を果たしている可能性が高い。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    侍ジャパンに日韓戦への出場辞退相次ぐワケ…「今後さらに増える」の見立てまで

  2. 2

    大谷翔平は米国人から嫌われている?メディアに続き選手間投票でもMVP落選の謎解き

  3. 3

    阪神の日本シリーズ敗退は藤川監督の“自滅”だった…自軍にまで「情報隠し」で選手負担激増の本末転倒

  4. 4

    “新コメ大臣”鈴木憲和農相が早くも大炎上! 37万トン減産決定で生産者と消費者の分断加速

  5. 5

    侍J井端監督が仕掛ける巨人・岡本和真への「恩の取り立て」…メジャー組でも“代表選出”の深謀遠慮

  1. 6

    巨人が助っ人左腕ケイ争奪戦に殴り込み…メジャー含む“四つ巴”のマネーゲーム勃発へ

  2. 7

    藤川阪神で加速する恐怖政治…2コーチの退団、異動は“ケンカ別れ”だった

  3. 8

    支持率8割超でも選挙に勝てない「高市バブル」の落とし穴…保守王国の首長選で大差ボロ負けの異常事態

  4. 9

    大谷翔平の来春WBC「二刀流封印」に現実味…ドジャース首脳陣が危機感募らすワールドシリーズの深刻疲労

  5. 10

    和田アキ子が明かした「57年間給料制」の内訳と若手タレントたちが仰天した“特別待遇”列伝