がんそっくり? 認知症発症メカニズムの輪郭が見えてきた

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 認知症の7割を占めるアルツハイマー型認知症は「アミロイドβ(Aβ)」と呼ばれる脳内のタンパク質が原因と信じられてきた。加齢により代謝が滞ってAβが蓄積。その毒性で脳神経がダメになるというのだ。この仮説に基づき脳内のAβを減らす薬が開発されたが、ことごとく治療に失敗。近年は同じく脳神経にたまるタウタンパク質をターゲットにした研究が増えている。はた目にはアルツハイマー病の研究は袋小路に入り込んだかのようにも見える。しかし、基礎医学研究者の間では、すでにアルツハイマー発症システムの輪郭は捉えているという。放射線医学総合研究所脳機能イメージング研究部の樋口真人部長に聞いた。

「亡くなった人の脳を調べることで、アルツハイマー病の発症メカニズムの真相が明らかになっています。まず、Aβとタウタンパク質は、独立した形で特定部位にたまります。50歳くらいまでに半数の人の脳内(主に記憶をつかさどる海馬のあたり)の神経細胞内にタウタンパク質が蓄積。60歳くらいになると今度は、大脳皮質(知覚、随意運動、思考、推理、記憶などをつかさどる)にAβが蓄積します」

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