頭部打撲が多いとなぜ認知症発症リスクが高いと言われるか

公開日: 更新日:

 つまり、頭部にダメージを受けて脳表面を覆う硬膜内リンパ管が壊れたりつぶれたりすると脳内のゴミが行き場を失うことになる。脳卒中を起こして脳内の血管の一部が壊死したときも同様で、行き場を失った脳内のゴミはどんどんたまり、脳神経細胞を殺していく。そんな構図が見えてくるのだ。

 その意味では頭部にくり返しパンチを受けるボクサーに「ボクサー脳症」と呼ばれる認知症パーキンソン病に似た症状が出たり、それを放っておくと認知症、パーキンソン病を発症することも納得がいく。

 米国サッカー協会が2015年から10歳以下の子どものヘディングを禁止し、11~13歳以下の子どもの練習中のヘディング回数を制限している。これは賢明な判断かもしれない。

「忘れてならないのは、睡眠もまた脳内の異常なタンパク質の排出に関わっていることです。実際、アルツハイマー型認知症の原因とされるAβは脳間質液中の濃度が睡眠のサイクルに合わせて日内変動していることが報告されています」

 アルツハイマー病を発症した実験用マウスの睡眠を数時間阻害しただけで脳間質のAβが増加することや長期睡眠を阻害するとアルツハイマー病の特徴とされる老人斑(Aβの塊)が促進されることが報告されている。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 2

    トリプル安で評価一変「サナエノリスク」に…為替への口先介入も一時しのぎ、“日本売り”は止まらない

  3. 3

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 4

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  5. 5

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  1. 6

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  2. 7

    今田美桜が"あんぱん疲れ"で目黒蓮の二の舞いになる懸念…超過酷な朝ドラヒロインのスケジュール

  3. 8

    織田裕二「踊る大捜査線」復活までのドタバタ劇…ようやく製作発表も、公開が2年後になったワケ

  4. 9

    「嵐」が2019年以来の大トリか…放送開始100年「NHK紅白歌合戦」めぐる“ライバルグループ”の名前

  5. 10

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞